有馬記念は、暮れの中山競馬場の内回り芝2500mで開催されます。中山競馬場に限らず、中央で開催されるレースのほとんどが内枠有利と言えますが、有馬記念には特に内枠が有利となる理由があります。
一つは、スタートからゴールまでにコーナーを通過する回数です。中山競馬場の内回りは一周約1700mしかないため、2500mのレースではコーナーを3回通過する必要があります。しかも半径が小さく形状が小回りとなっており、コーナーで内枠と外枠を通った場合の距離の差は相当なものになります。
外枠の馬が外を回ることを回避するには、強引に逃げるかもしくは他の戦法をとる必要があります。

頭数が揃わない場合は大きな問題はありませんが、16頭フルゲートかそれに近い出走頭数になると、多くの馬が良いポジションを取ろうとスタートから早めに動くことになり、先行争いが激しくなる傾向にあるため、外枠の馬にとっては厳しい展開になりがちです。
スタート後、すぐに3コーナーを迎えることも、内枠が有利な理由です。
有馬記念のスタート地点は、向こう正面3コーナー手前のポケット部分で、スタートから3コーナーまでは100m程度しかなく、外枠の馬がコーナーを迎える前に内を取るのは至難の業で、強引に逃げるかロケットスタートを切らない限りは難しいと言えます。
外枠の馬は必然的に外を回りつつポジションを探ることになり、この間の距離ロスを免れることはできません。

但し、外枠の馬にもメリットが無いわけではありません。
有馬記念が開催される時期は、例年内側の馬場が荒れてくるため、特に天候の悪い時は外側を通った方が良いこともあります。
しかし、2014年の路盤改修工事により、ホームストレッチの内側以外は極端に馬場が悪化することも減り、外枠のメリットは小さなものになっています。

外枠でも、脚質によっては狙えることがあります。例えば、逃げ先行馬が多数揃った場合はハイペースが予想できるため、外枠に入った差し追い込み馬は狙い目となります。
差し追い込み脚質であれば、スタート後に無理なポジション取りをする必要が無く、後方から内側を追走し、向こう正面から徐々に前との距離を詰めていくことで、ロスの少ない競馬をすることができます。
しかし、中山競馬場の直線が短いほか、有馬記念では歴戦の古馬が集結するためハイペースになることは稀で、外枠に人気馬が入ったとしても、余程能力が抜けていない限りは軸にせず、内枠に入った実力馬を中心視するのが無難です。